「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称:障害者差別解消法)が2013年6月に成立、2016年4月より施行された。
障害のある人たちが、国家や社会の慈善や恩恵、庇護の中で生きていくことが前提となっているような社会は本来の社会ではなく、すべてにおいて人は固有の権利の主体であり、保護される客体ではない。自由な選択と自己決定を通じて人生を享受していくことは当然のことである。
その具現化のために、障害者の差別禁止の運動展開を一層強化していかねばならない。そのために「一般社団法人障害者の差別の禁止・解消を推進する全国ネットワーク」が設立され、伊東弘泰が会長に就任した。
本書では、同法制定の経緯、内容、課題などを総括。その制定運動に直接かかわった人たちの想いと行動、体験の寄稿を通して、法律の重要性とこれからの取り組みを示唆する。
主な内容
はじめに “差別解消法”の浸透めざし、推進団体を設立!共生社会の実現を!誰もが“すばらしい人生”を実現するために
Ⅰ.障害者差別解消法の具現化に向けて
1.「障害者差別解消法」制定のねらいと経緯
2.障害者差別解消法の実施に向けて
3.障がいのある人の権利に関する条約の批准と国内法整備の到達点
4.障害者差別解消法の意義と課題
5.権利条約をいかに奏でるか
6.「障害者差別解消法」成立までのあゆみ
7.障害者差別解消推進法と自治体における課題、条例づくりの動向
8.障害のある人もない人も共に生きる平和な長崎県づくり条例・制定のプロセス
9.対談
Ⅱ.JDA 運動の歩み
1.介護保険制定による障害者の人権・福祉の後退
2.公開シンポジウム①『障害者差別禁止法を実現する』より
3.公開シンポジウム②『21世紀の福祉社会を創る市民エキスポ 2004』
4.2003 年 5 月 16 日 座談会
障害者雇用施策への提言 能力のある障害者の就労、一般企業を主流に
DPI障害者権利擁護センター所長 金 政玉
佐賀医科大学教授 齊場 三十四
近畿福祉大学教授 安井 秀作
特定非営利活動法人 日本アビリティーズ協会会長 伊東 弘泰
5.2004 年 5 月 15 日 対談 アメリカの ADA に学ぶ
6.2007 年1月17日シンポジウム『障害者差別禁止法』の実現に向けて
(21 世紀の福祉社会を創る市民エキスポ 2007より)
Ⅲ. 結びに代えて
尊厳と自立・相互尊重、相互理解、共に生きる
〜全国の自治体に障害者差別解消条例を〜
Ⅳ. 資料編
■参考資料「国会会議録」より抜粋
■障害者差別禁止法(JDA)を実現するための運動の主な経過
■差別禁止部会の検討経緯
■障害者政策委員会 差別禁止部会 委員
■障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律について
■障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
■障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議(衆議院内閣委員会)(参議院内閣委員会)
■障害者差別解消支援地域協議会体制整備事業の実施に係る同協議会の設置・運営暫定指針
■障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針
■一般社団法人障害者の差別の禁止・解消を推進する全国ネットワーク定款(抜粋)
■一般社団法人障害者の差別の禁止・解消を推進する全国ネットワーク役員一覧
■「アビリティーズ運動」を支える出版活動
A5判、319ページ。当協会会員様へは一人1冊贈呈します。非会員の方へは1冊1,000円の手数料にてお譲りします。