独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)の助成

独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)は、人と車の共存を理念として、自動車事故の発生防止及びその被害者への援護を行っています。ここでは、機構業務の中の「支える」について概要をご案内します。

支える~ 自動車事故による被害者の方の援護のために~
  • 介護料の支給や医療施設の設置・運営による重度後遺障害者への援護
  • 育成資金の無利子貸付や友の会の運営・家庭相談による交通遺児等への援護

掲載情報は2019年4月時点のものです。ご利用される場合、必ず機構のHPで詳細と最新情報をご確認ください。
支える/独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)

交通事故被害者ホットライン  057-000738 ※受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日・年末年始を除く)

介護料の支給

介護料は、自動車事故が原因で、脳、脊髄又は胸腹部臓器を損傷し、重度の後遺障害を持つため、移動、食事及び排泄など日常生活動作について常時又は随時の介護が必要な状態の方に支給します。

受取り対象となる方

I. 自賠責保険等において、後遺障害等級が次のとおり認定されている方

注)自賠責保険等とは自動車損害賠償責任保険及び共済のことです。

平成14年4月1日以降に事故に遭われた方

種別 後遺障害等級
最重度 特I種 常時要介護の方のうち、次の要件を満たす方
常時要介護 I種 自賠法施行令別表第一「第1級1号」又は「第1級2号」
随時要介護 II種 自賠法施行令別表第一「第2級1号」又は「第2級2号」

【自賠法施行令別表(抜粋)(改正後)】

別表第一

等級 介護を要する後遺障害
第一級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。
第二級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。

注)自賠法とは自動車損害賠償保障法のことです。

平成14年3月31日以前に事故に遭われた方

種別 後遺障害等級
最重度 特I種 常時要介護の方のうち、次の要件を満たす方
常時要介護 I種 改正前の自賠法施行令別表「第1級3号」又は「第1級4号」
随時要介護 II種 改正前の自賠法施行令別表「第2級3号」又は「第2級4号」

【自賠法施行令別表(抜粋)(改正前)】

等級 後遺障害
第一級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。
第二級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。

〔最重度(特 I 種)の要件〕

種別 要件
脳損傷
  • 自力移動が不可能である
  • 自力摂食が不可能である
  • 屎尿失禁状態にある
  • 眼球はかろうじて物を追うこともあるが、認識はできない
  • 声を出しても、意味のある発言はまったく不可能である
  • 目を開け、手を握れという簡単な命令にはかろうじて応ずることもあるが、それ以上の意思の疎通は不可能である
脊髄損傷
  • 自力移動が不可能である
  • 自力摂食が不可能である
  • 屎尿失禁状態にある
  • 人工介添呼吸が必要な状態である
II. 自賠責保険等において、後遺障害等級が認定されていない方

自損事故等により自賠責保険等による後遺障害等級の認定を受けていない方(後遺障害認定通知書を紛失された方を含む)であって、次の要件を満たす方

  1. ( I )と同程度の障害を受けたと認められる方
  2. 事故後18ヶ月以上が経過し症状が固定したと認められる方
Ⅲ.平成12年12月以前に自賠責保険等において、後遺障害等級が「併合1級」(脳損傷の認定を受けた方に限ります。)と認定された方

平成12年12月以前において、改正前の自動車損害賠償保障法施行令第2条第1項第2号ロからニの規定により、後遺障害等級として「併合1級」に認定された方(脳損傷として認定された方に限ります。)であって、高次脳機能障害を評価した介護料受給資格の認定を希望する方

受取り金額

その月の介護に要した費用として自己負担した額に応じ、受給資格の種別ごとに次の範囲内で支給します。
なお、介護に要した費用として自己負担した額が下限額に満たない場合には、下限額を支給します。

ただし、この自己負担した額には、障害者総合支援法第6条に規定する自立支援給付に伴い自己負担した額及び同法第77条第1項第6号に規定する日常生活上の便宜を図るための用具であって、厚生労働大臣が定めるものの給付に伴い自己負担した額は含みません。

種別 金額
最重度 特I種 82,810円~209,430円
常時要介護 I種 70,790円~165,150円
随時要介護 II種 35,400円~82,580円

支払い月は、毎年3月、6月、9月及び12月の年4回で、各支給月前の3ヵ月分をまとめて支給いたします。

介護料の支給対象となるサービス

在宅にて介護を受けている方が、次のサービスを受けたときには、当該サービスを行った事業者ごとの証明(領収証を含む)を提出いただくことにより、介護料の上限額までの範囲内で支給します。

ただし、親族によるサービス提供は介護料の支給対象とはなりません。(友人・知人によるサービス提供は、個人事業者として有料で提供される場合のみ支給の対象となります。)

サービス区分
ホームヘルプサービス
訪問入浴
訪問看護
訪問リハビリ
デイサービス
介護料の支給対象となる介護用品

在宅にて介護を受けている方が、次の介護用品を購入、レンタル又は修理(交換)したときには、当該購入先等の事業者ごとの証明(領収証を含む)を提出いただくことにより、介護料の上限額までの範囲内で支給します。

なお、有料オプション等対象外となるものもありますので、請求をご検討の際は、事前にお近くの支所又は主管支所までお問い合わせ下さい。

品目 規格
介護用ベッド 本体、サイドレール又はサイドサポート、マットレス、介助バー及び付属テーブル
介護用いす(含む車椅子)等 自走式標準型車いす、普通型電動車いす及び介助用標準型車いす(浴用いすその他の特殊型いすを含み、競技用車いすを除く)及び固定ベルト、バックサポート、サイドガード等補助具
縟そう予防用具 水、エア、ゲル、シリコン、ウレタン等からなるマット類及びクッション並びにカバー・シーツであって、体圧を分散することにより、圧迫部位への圧力を減ずることを目的とするもの
吸引器等 吸引器(痰吸引器を含む)及び吸入器(ネブライザー)
特殊尿器 尿が自動的に吸引されるもので要介護者又は介護者が容易に使用し得るもの
移動用リフト 本体及びつり具
床走行式、固定式又は据置式で、身体をつり上げ又は体重を支える構造により、自力での移動が困難な者の寝台と車いすとの間等の移動を補助する機能を有するもの(ただし、取付けに工事を伴うものを除く)
スロープ 段差解消のためのもの(ただし、取付けに工事を伴うものを除く)
消耗品
(購入のみ)
紙おむつ、尿取りパッド、導尿カテーテル、バルーンカテーテル、痰吸引用カテーテル、滅菌ガーゼ及び手袋(使い捨て用)

療護施設のサービス

自動車事故による脳損傷によって重度の後遺障害が残り、治療と常時の介護を必要とする方のうち、入院の要件に該当する方に入院していただき、社会復帰の可能性を追求しながら手厚い治療と看護並びにリハビリテーションを行う重度後遺障害者(遷延性意識障害者)専門の病院であるNASVA療護センターを国内4か所に、療護センターに準じた治療と看護を行うNASVA委託病床を国内6か所に設置・運営しています。

生活資金貸付

自動車事故による被害者の方に対して次の貸付を行っています。ここでは交通遺児等貸付についてご紹介します。

  1. 交通遺児等貸付
    自動車事故により死亡または重度の後遺障害が残った方のお子様に対する貸付です。
  2. 不履行判決等貸付
    自動車事故による被害者の方で、確定判決や和解等によっても、損害賠償を受けられない方に対する貸付です。
  3. 後遺障害保険金(共済金)一部立替貸付
    自動車事故により後遺障害が残った方で、その後遺障害について自賠責保険(共済)金の請求から支払いがなされるまでの間に対する貸付です。
  4. 保障金一部立替貸付
    ひき逃げや無保険車による事故の被害者で、政府の保障事業に保障金を請求している方で、保障金の支払いがなされるまでの間に対する貸付です。

交通遺児等貸付

自動車事故により死亡または重度の後遺障害が残った方のお子様の健全な育成を図るため、中学校卒業までのお子様を対象に、生活資金の無利子貸付を行っています。
ご利用できるのは、貸付申込手続の指定の生活状況のいずれかにあてはまるご家庭になります。

1. 貸付対象者

自動車事故により死亡または重度の後遺障害が残った方の中学校卒業までのお子様

※重度の後遺障害とは
自動車損害賠償保障法施行令別表第一又は別表第二 に掲げる後遺障害の第1級~第3級に相当する後遺障害をいいます。
【自動車損害賠償保障法施行令別表(抜粋)】へ

2. 貸付申込者

貸付を希望するお子様の保護者の方になります。

3. 貸付期間

中学校卒業の月まで。

4. 貸付金額

はじめに 一時金15万5千円
以後 月額 2万円又は1万円(選択制)
小・中学校入学時に(希望者のみ) 入学支度金4万4千円

5. 送金方法

1月・4月・7月・10月の各月に、ご指定の口座に3カ月分をまとめてお振り込みいたします。

6. 利子

無利子。

7. 返還方法

貸付期間終了後6ヶ月又は1年を経過した後、月賦又は月賦・半年賦により原則20年以内の均等払い。

8. 返還猶予

中学校卒業後、高校・大学等に進学される場合は、卒業までの返還を猶予します。

9. その他

交通遺児等貸付をご利用されているご家庭の交流の場として【友の会】 を設けています。
また、交通遺児に対する【他の援護制度】 もありますので、それぞれのページをご覧下さい。

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