2016年04月01日

ハイ(10cm)・ロー(5cm)・ミドル(8.3cm)、どの高さのクッションを選べば良いのですか?また、体重によって選び方は変わるのですか? ロホクッションの向きは決まっていますか。 床ずれ防止用具として市場に出ている主なクッションとのロホクッション違いは? 空気を抜くとかえって不安定になり、空気を多めに入れた方が座り心地が良い、という方に対してはどのように対処すればいいですか? 「空気調節が難しい」と言われることがあります。そうした場合のロホの取扱についてはどのように対応すれば良いですか? ロホはムレやすいのではないかと思いますが、対処方法はありますか。 床ずれが出来ているので創部に当たらないようにしたい。セルをゴムで縛るなどして当たらないようにしても良いですか? ロホの特注オーダーはできますか。またどういったオーダーができますか。 エンハンサーとコンツァーセレクトは構造(形状)が似ています。どのように使い分けたらいいですか? エンハンサーはどのような方に有効ですか。 エンハンサーの外側に入る高い部分のセルの空気はどのくらい入れれば良いですか。 頻繁に移乗する場合は、どのクッションが良いですか? 座り心地を重視する方にはどのクッションが良いですか? ティルトやリクライニングでのセレクトシリーズ(クァドトロセレクト、コンツァーセレクト)の空気調整方法を教えてください。 日々の座位時間の中でより姿勢が崩れやすい場合は、コンツァーセレクトとエンハンサーどちらのクッションが良いですか? コンツァーセレクトには向きが決まっていますか? クァドトロセレクトはどのような方に適しているのですか? クァドトロセレクトはアイソフローを使ってロックすると4つの空気室に分かれますが体圧分散に影響はないのですか? クァドトロセレクトハイタイプ、ロータイプはどのように使い分けたら良いでしょうか。 海外旅行に持っていきたいのですが、航空機に持ち込めますか?注意点は?

ハイ(10cm)・ロー(5cm)・ミドル(8.3cm)、どの高さのクッションを選べば良いのですか?また、体重によって選び方は変わるのですか?

床ずれが既に進行している方・過去に床ずれができ、再発の恐れのある方や痩せて骨突起の大きい方などにはハイタイプ(10cm)をおすすめしています。 床ずれ予防したい方・発赤の見られる方・車いす等でアクティブに動かれる方・自動車の座席やシャワーチェアー上で使用される方にはロータイプ(5cm)をおすすめしています。 これまでロータイプを使用していた方で、痩せて骨突起が見られる方、またはハイタイプを使用したいけれど体幹をご自身で保持できない方(*1)などにはミドルタイプ(8.3cm)おすすめしています。 (*1) 体幹の保持がとりにくい場合もクァドトロセレクトをおすすめ致します。 よく体重が軽いことを理由に高齢の方などにロータイプを処方するケースを聞きますが、軽量の方は身体の肉が落ち、その分骨突起が著しいことが多くあります。どのタイプを選択するにしても、ちょうど良い空気の加減はクッションの底面(ベース部)から1.5~2.5cm程度が目安です。また、(抜き過ぎない程度に)空気を抜けばそれだけ体圧分散効果が増すので、体重の軽い方にはロータイプをお勧めすると、若干しか空気を抜けないため、効果が発揮されません。その場合は、ハイタイプもしくはミドルタイプを選択してください。

ロホクッションの向きは決まっていますか。

エンハンサー、ハイブリッドエリート、エアライト3、コンツァーセレクトクッション等の特殊な形状のクッションに関しては向きが決まっています。

エンハンサー、コンツァーセレクトは座った際にバルブが左前(黄色の紐が左前)にきます。

ハイブリッドエリートは後方(臀部)にロホのエアーセルがきます。

エアライト3内蔵のエアー部分が臀部にあたるように座ってください。

スタンダードの1バルブのクッションも基本的には左前にバルブが来るように設定してください。

ただし、片麻痺の方等でバルブを前方に置くと危険性が伴う場合は向きを変えて使うことも可能です。

クァドトロセレクトも状況に合わせて向きを変えられます。(ただし、姿勢の矯正として空気圧を徐々に変えている場合は向きを変えないで使用してください。)

床ずれ防止用具として市場に出ている主なクッションとのロホクッション違いは?

ウレタンやゲル状クッションの場合、反発力は上からかける力に比例します。

したがって20分くらい座り続けると坐骨(場合によっては尾骨・仙骨)に圧力が集中してかかるようになります(ウレタンはへたりが生じるため、またゲルは多少流動しますが、ほとんど限られています)。また、一枚の面で受けるので皮膚の摩擦やズレを起こしやすくなります。

それに対し、ロホクッションは多数の空気室(セル)から構成され、内部は空気経路でつながっているので、坐骨などの突起した部位やその周囲の圧力を均等に分散します。この状態が阻血防止のためには良い効果をもたらします。またお尻の動きに合わせてセルが一緒に動くので、皮膚の摩擦や皮下組織のズレを防止できます。

空気を抜くとかえって不安定になり、空気を多めに入れた方が座り心地が良い、という方に対してはどのように対処すればいいですか?

ロホの効果を最大限に引き出すには、やはり空気を底づきしない程度に抜く必要があります。床ずれがすでに進行している方や発生しやすい状況にある方は、できるだけ理想的な空気調節を心がけて下さい。

ただし、現状では床ずれの心配がなく、予防として使用されているのであれば、様子を伺いながら、多少空気量を残しても(空気が入り過ぎなければ)問題はありません。その際には、こまめなプッシュアップ(もしくは体位変換)を取り入れるようにして下さい。

「空気調節が難しい」と言われることがあります。そうした場合のロホの取扱についてはどのように対応すれば良いですか?

一番良いのはご使用者に空気調節方法を理解していただくことです。ご使用者が理解できず、床ずれの状態が悪い方の場合は、医師やセラピストなどの専門家の指示に従うようにしてください。

(専門家の指示なしでは使用しないでください。)さらに、ロホの使用状況を定期的に確認する場を作るようにして下さい。

視覚で空気調整が可能となったロホスマートチェックで、より簡単に調整可能となりました。

ロホはムレやすいのではないかと思いますが、対処方法はありますか。

空気を抜く分、接触面積が広がり、もともと汗をかきやすい体質の方は多少ムレやすくはなります。その際は、室内の温度(湿度)調整、プッシュアップ(もしくは体位変換)をこまめに行う、少しだけ空気を余分に残す(空気の通路を確保する)、ロホ・マットレスの場合、掛ふとんの調整を行うことで多少は緩和できます。

どうしても発汗が収まらない場合は吸湿性のよい生地のもの(できればかなり薄手で伸縮性のあるもの)をクッションの上に敷いてご使用ください。

伸縮性のないものをご使用の際はピンと張らず、ゆったりと敷いてロホの沈み込みによる体圧分散効果を妨げないように気をつけて下さい。(なお、クッションはできるだけ付属のカバーをご使用ください。)

床ずれが出来ているので創部に当たらないようにしたい。セルをゴムで縛るなどして当たらないようにしても良いですか?

セルをゴムで縛ると、その部分が硬くなって創部を刺激するだけでなく、ゴムで縛った周囲にかえって圧がかかり、皮膚を引っ張ってしまい、皮膚の摩擦や皮下組織のズレを誘因することになります。

また、セルが損傷しやすくなり、寿命を縮めることになりますので、絶対に避けてください。

セルが触れるだけでどうしても痛みを伴う際には、オーダー時その部分のセルのカット(ただし、推奨はしておりません)、もしくはその部分のセルの高さを低くオーダーしたカスタムクッションのご使用をお勧めしています。

ロホの特注オーダーはできますか。またどういったオーダーができますか。

オーダーは可能です。

定番にないサイズからバルブの位置を変えたもの、セルを組み違えたもの(セル高は1インチ:2.5㎝~4インチ:10㎝まで)や採尿器・股ベルトを通すためのカット(ただし、基本的にカットは推奨していません)等のオーダーができます。納期は約3ヶ月みてください。

エンハンサーとコンツァーセレクトは構造(形状)が似ています。どのように使い分けたらいいですか?

共通しているのは、床ずれを予防しながら脚部と骨盤を安定させ座位バランスを保てることです。アクティブユーザーから姿勢が崩れやすい方、ご高齢の方までサポートします。

エンハンサーコンツァーセレクトは初めて床ずれ(発赤など)ができた方にはいずれも使用可能です。座骨部・尾骨部の接触を和らげる効果があり、ティルト・リクライニング車いすを利用している方にも、空気調整を適正に行えば座骨結節部の低いセルの底付きをおさえられますし、骨突出の顕著な方にも除圧効果を高めます。姿勢保持の観点から、2種類とも共通して前ずれ予防に有効です。

エンハンサーはデュアルバルブ(2バルブ)で、外周の高いセルを個別に調整し、大転子周りの支持を強化できるので、脚が外転してしまう方、横倒れしてしまう方に有効です。極度に左右に傾きのある方や大転子部周辺の骨突出が大きい方にはコンツァーセレクトをおすすめします。

コンツァーセレクトは4つのブロックを空気調整が可能なことにより、高い除圧効果と様々な不良姿勢を改善し安定した座位バランスを保持しやすくなります。仙骨座り、身体の傾きがある方、軽度な円背の方も対象となります。

エンハンサーはどのような方に有効ですか。

身体が前方にずり落ちやすい方、内転しやすい方、四肢麻痺の方などにおすすめします。

ただし、座位保持としての効果は大きいのですが、左右に傾きやすい方に使用すると、サイドのセル高があり、かつ空気をやや多めに入れて使用するため、特に痩せて大転子部が突起している方には圧迫を引き起こしてしまうので、お勧めできません。

エンハンサーの外側に入る高い部分のセルの空気はどのくらい入れれば良いですか。

まず感覚が(少しでも)ある方ならば、空気の状態が多すぎないかを確認しながら調節するのが良いでしょう。

また特に女性の場合、前中央部分のエアーセルも膨らむので、違和感が生じることもあります。この場合も様子を伺いながら調節すると良いでしょう。

感覚がない場合は空気を少しずつ足していきながら大転子部付近に手を差し込み、極度に圧迫していないか確認してください。手が軽く差し込めるようであれば問題ありません。

頻繁に移乗する場合は、どのクッションが良いですか?

エアライト3・ハイブリッドエリートをお勧めします。

大腿部に当たる部分がウレタンフォームのため、安定して乗り移りができます。

座り心地を重視する方にはどのクッションが良いですか?

セルにあたる感触を嫌がる方にとっては、空気調整不要のエアライト3がお勧めです。

ティルトやリクライニングでのセレクトシリーズ(クァドトロセレクト、コンツァーセレクト)の空気調整方法を教えてください。

  1. アイソフローは緑側のボタンを押し、全面に空気流動できるようにして空気調節を行います。その際に、空気はギリギリまで抜かず、少し余裕を持たせるようにします。(後に微調整するため)
  2. ティルト(リクライニング)させて、1015秒程度なじませ空気を流動させます。
  3. 空気がなじんだら、アイソフローの赤側のボタンを押し、ロックします。
  4. 後方(尾骨・仙骨)が底づきしていないか手で触って確かめます。お尻が底につき、クッションとお尻の間で手(指)が動かなければ抜け過ぎですので、再調整してください。
  5. 再調整の際には、アイソフローは緑側に戻して①からやり直してください。

日々の座位時間の中でより姿勢が崩れやすい場合は、コンツァーセレクトとエンハンサーどちらのクッションが良いですか?

コンツァーセレクトは最も姿勢保持力があり、アイソフローバルブを活用することで、使用する方に合わせた前後左右方向の細やかな調整ができます。骨盤と脚部の安定性を維持し、座位と姿勢をクッション中央で安定をさせながら調整することで設計されています。よって、姿勢の崩しやすい方により対応しやすくなっています。

コンツァーセレクトには向きが決まっていますか?

決まっています。お尻と大腿部に形状が型どられていますので、座った際にバルブが左前に来るようにセットしてください。

クァドトロセレクトはどのような方に適しているのですか?

下肢切断等で座位バランスをとりにくい方、前方に臀部がずり落ちやすい方、脊髄損傷、四肢麻痺、脳性麻痺、側弯が見られる方などに有効です。

ただし、極度に側弯等が見られる方だとクッションだけでは座位保持に対応しかねる部分もあるので、医師やPTなど専門家の指示に従ってご利用ください。

クァドトロセレクトはアイソフローを使ってロックすると4つの空気室に分かれますが体圧分散に影響はないのですか?

極度に空気差をつけてしまえば影響は出ますが、多少の空気差であれば影響はありません。

ただし、微調整後は両坐骨(もしくは尾骨・仙骨)が底づきしていないか、確認する必要はあります。

クァドトロセレクトハイタイプ、ロータイプはどのように使い分けたら良いでしょうか。

クァドトロハイはすでに床ずれを形成され、もしくは痩せて骨が突出しており、座位保持を必要としている方に有効です。

セルの高さがある分、前後左右の空気量の差を作りやすく、体の傾きが大きい方や1バルブのハイタイプでは座位バランスを崩してしまう方にはぜひ活用してみてください。

クァドトロローは床ずれ予防から初期段階の床ずれを悪化させないために使用し、かつご自身で動くことのできる方に有効です。

例えば、車いす上で足こぎされる場合、こぐ足側の空気量を少なめにしてアイソフローの

赤いボタンでロックすれば、こぐ側の空気量は少なくなり、かつ空気が前後左右に大きく動かない状態で安定しますので、足をしっかり床につけて漕ぎ出すことができます。

海外旅行に持っていきたいのですが、航空機に持ち込めますか?注意点は?

ロホクッションは航空機に持ち込めます。注意点は次になります。
海外など、高度の高いところを飛ぶケースであれば、気圧で膨張するので、空気を抜いて、バルブを閉める対応を取る必要があります。

以下、取説より。
エアセル内の空気は気温差や気圧の変化に影響を受けます。航空機内など、高度が300メートル以上変わるときは、空気量のチェックを行って下さい。
また、フォーム系の一部タイプを除き、空気を抜いて丸めるなどコンパクトになりますので持ち運びにも便利です。

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