~在宅療養中の多系統萎縮症に対する導入事例~
第5回 日本難病医療ネットワーク学会にてポスター発表 事例 医療法人 羅寿久会 浅木病院(福岡県)様
要約
- 多介助を要する患者をトイレで排泄させる場合、移乗や下衣操作の介助負担は大きい
- 介護用リフトの迅入が進まない要因として、操作が煩雑で時間がかかる事や使用スペースの狭さなどが考えられる
- 簡易型リフト「ささえ手」の迅入により、在宅で容易にトイレを使用できるようになった多系統萎縮症の重症例を経験した
- 従来のリフトとの相違点を交えて報告
多介助を要する患者をトイレで排泄させる場合、移乗や下衣操作の介護負担は大きい。一方で、介護用リフトは操作が煩雑で時間がかかるなどの理由で導入が進まない。
今回、手動式で吊り具が不要な簡易型リフト「ささえ手」を導入することにより、在宅で容易にトイレを使用できるようになった多系統萎縮症の重症例を経験した。症例は50歳代女性。発症から6年経過した時点で起立や移乗が不能となり、要介護度5。1人の介助者では移乗させるのは困難になったが、「ポータブルトイレを使いたくない」という患者の思いを汲み取りリフトの導入を検討。床走行式リフトでは患者、介護者双方にとって実用性の観点から問題があり受け入れ困難だったが、「ささえ手」はこの目的にとって有用だった。
「ささえ手」の最大の特徴は、吊り具を使用せずに座位から半座位にできることである。臀部が垂直位になるために下衣操作も容易となり、トイレへの誘導にとって合理的で実用性が高い。障害が重度である患者にトイレを利用する際には、考慮すべき選択肢となり得るだろう。
報告書はこちらよりダウンロード → 「トイレで排泄させるために有用だった簡易型移乗リフト「ささえ手」」
この記事の対象商品
この記事へのお問合せはこちらから。下のボタンを押すとお問合せフォームが開きます。