多介助を要する患者をトイレで排泄させる場合、移乗や下衣操作などの介護負担が大きくあります。一方で、介護用リフトは操作が煩雑で時間がかかるなどの理由で導入が進んでいません。
今回、手動式で吊り具が不要な簡易型リフト「ささえ手」を導入することにより、在宅で容易にトイレを使用できるようになった多系統萎縮症の重症例を経験しました。
症例は50歳代女性。発症から6年経過した時点で起立や移乗が不能となり、要介護度5。1人の介助者では移乗させるのは困難になりましたが、「ポータブルトイレを使いたくない」という本人の思いを汲み取りリフトの導入を検討しました。
床走行式リフトでは本人、介護者双方にとって実用性の観点から問題があり受け入れ困難でしたが、「ささえ手」はこの目的にとって有用でした。
「ささえ手」の最大の特徴は、吊り具を使用せずに座位から半座位にできることです。臀部が垂直位になるために下衣操作も容易となり、トイレへの誘導にとって合理的で実用性が高い商品です。障害が重度である患者がトイレを利用する際には、考慮すべき選択肢となります。
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