当社の理念とサービス 1  ―  定期点検契約に基づくメンテナンス体制

2016年09月27日

-お客様に本当のサービスを提供するー

アビリティーズ・ケアネット(株)会長

 高齢者の人口増と介護保険制度のお蔭で、福祉用具の市場は大きく広がっている。1974年に当社が福祉用具事業を開始し、厚生省(当時)のご依頼で、今の国際福祉機器展(HCR)につながる、「社会福祉施設の近代化機器展」を同年11月に始めることになったとき、出展応募社を求め、メーカー、販売店を探して歩き、ようやく60社ほど集めて第1回目を開催できた。いまや、主要産業の大手メーカーがこの市場にたくさん参入してくる時代になった。競争も激化している。消費者が商品を選択できる時代になった。今年の43回目のHCRの出展者数は海外企業を含め527社だ。

拡大する業界だが、アビリティーズは他社に比較して、多くの特色、強みを持っていると思う。そのひとつがメンテナンス体制、とくに「定期点検契約制度」である。

納入した機器類が故障した場合、普通のメーカーや販売店ならば、だいたい修理に駆けつけ、直し、お客様のご利用に支障ないよう対応する。

 しかし当社の考え方は違う。故障したら修理に伺うのはあたりまえのことであって、故障しないように正常な状態を保持し続けるようにする、ということが当社のポリシーである。

 入浴機器が突然、故障して使用できなくなれば、その日、老人ホームやデイサービスセンターでの入浴作業はできなくなる。デイサービスでは利用者様は、入浴を楽しみにしてみえる。しかし、入浴できなければ、がっかりされる。自宅で入浴できない人にとっては、デイサービスに来る日だけ入浴できるからだ。
また施設サイドにとっても、その日の入浴の加算収入はなくなる。

 これが、階段昇降機ならどうだろうか。万一、階段の途中で止まれば、昇降機から降りることもできなくなる。無理して降りようとすれば転落の危険もある。
器械が止まるということは大変な問題である。


 そこで当社では、トラブルや故障で器械が止まらないよう、お客様と定期点検契約を結ぶことを進めてきた。前述の昇降浴槽や階段昇降機などは、そうしたサービスの最重要機器として、ご購入のときに定期点検契約を結んでいただくことにしている。

 毎月はじめに、メンテナンスを担当しているテクノサービス部門が、契約先に事前通知をし、さらに電話でお客様の都合と調整し訪問して、マニュアルに基づいた点検をし、グリスをさしたり必要なメンテナンス作業を行う。
 最近、他社も当社に倣って同じような点検契約を進めているところもあるが、当社ははるか10年以上も前からこのシステムを推進してきた。今年8月末現在の定期点検契約数はなんと3036件に達している。しかも定期点検契約費用は、階段昇降機の場合、年に2回の訪問、点検、メンテナンスだが、年額費用は非常に低額である。
この定期点検契約に基づくサービスは、当社の機器に対するユーザーからの信頼は大きいものがある。

 機器のご注文は、定期点検契約を前提にいただくのであるが、なかにはそんなサービスは要らない、点検契約になど金を払いたくない、と拒む方もおられる。その場合にも丁寧にお話して万が一の場合のことに備える当社の方針を理解していただき、契約していただいている。その結果、器械が途中で止まってしまうようなことは殆どない。

 「定期点検契約を結んでいただけないと注文をお受けできない」というところまで、お客様と話しがこじれる場合もある。しかし、その結果、かえってお客様からの信頼を高め、他社との競争があったのに、「そういう会社の製品を買おう」、といってくださり注文をいただくことも少なくない。

 定期点検契約を前提にした製品はもちろん決まっている。前述の階段昇降機、施設や病院で使われるバスタブ昇降式の特殊浴槽、天井走行式リフト、大型のリハビリ機器もそうである。それらは必ずその契約を締結することを受注契約の前提としている。さらに進んで、特殊浴槽などのケースでは、5年間、あるいは8年間の長期にわたって、点検費用はもちろんその間のすべての修理費用も無償でサービスする制度も目下、推進している。

販売は各地域の販売店様の協力でさせていただく場合も多い。しかしメンテナンスや修理は、販売店様にお任せするのではなく、全国各地に配置した当社の技術者が行うことが当社の体制である。このために当社では、機械、電気、電子等、50名ほどのエンジニアが、商品開発、商品テスト、そしてこうしたメンテナンス業務に従事している。


 組織の理念に基づき、方針を大事にしてビジネスを進めることが当社のやりかたである。点検契約はどうでもよい、売れればいい、という考え方は当社では認めるわけにはいかない。お客様のためになることを大事にし、丁寧に説明し、ご理解いただき、注文をいただく。そういうお客様づくりをしていくことが当社の理念であることをここに確認し、これまで以上の高い品質とサービスをもって仕事をし、お客様に奉仕していくことを続けていく。それができなければこの仕事をやめるべきと頑固に考えている。




Share:
ニュースレターを講読