2016年01月04日

2016/01/04

新年にあたり、皆さまいろいろな想いをお持ちのことと思います。病いや障害で生活や行動が不自由な方もおられますでしょうが、人生は一度限り、出来るだけ楽しみを見つけ、明るく元気にお過ごしください。ご健康をお祈り申し上げております。
アビリティーズ運動は今年、創立50周年を迎えさせていただきます。昭和41年4月に、心身に障害のある人々の自立、就労、社会参加をめざし、「保障よりも働くチャンスを」のスローガンを掲げ、日本アビリティーズ協会を設立し、運動を開始しました。
  その2ヵ月後、心身に障害があっても、あたり前に働けることを社会に証明することを目的に、障害のある人たちを中心に6人で、(株)日本アビリティーズ社 (現・アビリティーズ・ケアネット)を設立しました。私はそのとき大学を卒業したばかりで24歳、ポリオの後遺障害のため、百社以上の会社から採用試験を 受けることを拒否された苦渋の体験から、障害者の自立生活運動を開始しました。障害を理由に働くことを拒否されるような社会をなんとしても変えたいという 思いからの出発でした。資本金はわずか150万円。そして最初の仕事はタイプ、オフセット印刷でした。

 昭和47年から、まだ日本にはなかった福祉用具の開発を始め、欧米諸国のメーカーとも提携を進めました。
当時、日本一の高層ビルであった霞ヶ関ビル33階の東海大学会館を借りて、1日だけの「リハビリ機器展」を昭和49年7月14日に開催、その翌日から販売活動を開始しました。
 この展示会がきっかけとなって、厚生省(当時)のご依頼を受け、今の国際福祉機器展を創設することとなりました。(昨年10月に42回目開催)

 海外の主要メーカーと共同してリハビリ機器、福祉用具の分野に加え、平成11年から有料老人ホーム、デイサービスセンターの運営を始めました。

  平成13年、12の障害者団体と協力して、「障害者差別禁止法を実現する全国ネットワーク」を結成し、運動を開始しました。それは障害のある人たちが、障 害を理由に、憲法に定められている国民としての基本的人権、それは医療、教育、就労、社会参加など様々な場面での差別の状況を回復、改善するための法律で あります。多くの皆様の賛同を得て、ついに平成25年6月国会で「障害者差別解消法」が成立しました。
 奇しくもアビリティーズ運動を開始してちょうど丸50年にあたる今年4月に同法律が施行されます。

 障害のある社員たちの雇用を拡大しつつ、何とかこれまでこられたことは奇跡としか言いようがありません。ひとえに皆様のご支援の賜物と厚く感謝を申し上げます。
 これからも社会改革のための運動を続けてまいります。どうか今年もご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

伊東 弘泰
特定非営利活動法人 日本アビリティーズ協会 会長
アビリティーズ・ケアネット株式会社 会長兼社長
一般社団法人 障害者の差別の禁止・解消を推進する全国ネットワーク 会長
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