【体育館に設置された手すり付き組み上げ式スロープ 長野県大鹿村立大鹿小学校】
小学校には男児のお兄さんも通っており、男児のお母さまの「兄弟で同じ学校に通わせたい」という強い思いに対し、それに応えた村と学校の協力により、校舎のバリアフリー化が整いました。
男児は現在整備された環境の中、元気に学校へ通っています。”インクルーシブ教育”を実現した一例です。
車いす利用の男児が入学。体育館利用に段差の問題が
【長野県大鹿村立大鹿小学校】
長野県南部に位置する大鹿村は、人口が1,000人程の村です。村唯一の小学校に、二分脊椎症の男児が入学することになりました。
この小学校には男児のお兄さんも通っており、男児のご両親の「兄弟で同じ学校に通わせたい」という強い思いがありました。村と学校はその思いに応えたいと、校舎のバリアフリー化に取り組みました。
バリアフリー化における大きな課題の一つに、体育館への通路途中における階段の段差解消がありました。高低差1,015㎜、7段となるこの階段では、段差解消のため 1/12勾配のスロープ を造設する場合、およそ12.2mの水平距離が必要となり、このスペースをどのように確保するかがポイントでした。
体育館への通路途中における階段の段差解消 現地の大まかな寸法(単位:mm)
手すり付き組み上げスロープで、階段下スペース全体を使いスロープを180度ターン
12.2mの水平距離を確保する為には、階段下スペース全体を使いスロープを180度ターンさせ配置する必要があります。
階段下スペース内にこのようにレイアウト可能で、体育館入り口にある別のスロープ作成も含め、できる限り低予算に抑えつつ工期も短くするため、手すり付き組み上げスロープを選定頂きました。
それぞれの段差解消は以下の図面のレイアウトで工事が行われ、全3日間で完了となりました。
(下の図クリックで図面が拡大表示されます)
スロープの設置場所はコンクリート床構造で有ったため、下地工事が省略できたこともありスピーディーな設置ができました。
設置後写真(写真はクリックで拡大します。)
手すり付き組み上げ式スロープは、工期が短く大がかりな下地工事も不要なため費用を安く抑えられます。さまざまなレイアウトに対応可能なので、色々な場所や場面のバリアフリー化に役立ちます。
使用後の撤去や部材再利用によるレイアウト変更も行え、バリアフリー化のコストが低減できます。
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