2020年08月28日

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日本航空グループで沖縄本島を中心に10の島々を結び12路線を運航している琉球エアーコミューターは、車いすの使用の方や歩行障害の方への旅客機乗降のために段差解消機スタージーを採用しました。

離島住民の搭乗の課題

離島住民にとって航空機は沖縄本島をはじめ日本各地へのライフラインとなっています。住民の高齢化にともなって車いす利用者による航空機搭乗の機会が増加しており、車いす利用客を空港スタッフが抱え上げて搭乗補助することで、空港スタッフ・利用客双方の負担が大きくなっていました。

近年のバリアフリーニーズに伴い、様々な車いす利用客向けの搭乗機材も導入されていますが、これらの搭乗機材の対象範囲は中型航空機以上です。この課題解決にむけて、同社が使用している小型航空機に対応できる搭乗機材の導入プロジェクトが立ち上がりました。

搭乗用 移動式昇降機の選定

空港内の特殊車両や器材の整備、架装製作や調達等を専門に取り扱っているJALエアテックにより、本プロジェクトの条件を満たす移動式昇降機 スタージー が選定されました。(写真)​​​​​

スタージーは人力で移動させることができる画期的な垂直型の段差解消機です。およそ1.2mまでの段差を解消することが可能です。車いす利用者が搭乗する際、航空機の発着にあわせて、スタ―ジーを航空機近くまで空港スタッフが運搬し、搭乗出入り口に接続します。

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空港むけの特殊仕様

空港という特殊な環境で使用されるためにさまざまな対応が必要となることから、本件はアビリティーズ以外にも複数の企業による協力体制が敷かれた大きなプロジェクトとなりました。

JALエアテックのご協力のもと三菱重工グループのMHIさがみハイテック株式会社をはじめ、多くの企業との連携により、取り外し式の屋根や強風対策が施された製品外装、航空機との接続時に使用される目隠しなど、様々な架装が施されました。

 

昇降に必要な電力は発電機を使用 スタ―ジ

昇降に必要な電力は発電機を使用

航空機とスタ―ジを接続するスロープ

航空機とスタ―ジーを接続するスロープ


スタージーは、南大東島、北大東島、久米島、多良間島の各空港へ導入されました。これにより、今後車いす利用客がよりいっそう安全・快適に航空機へ搭乗できるようになり、だれでも気兼ねなく移動を楽しめる環境が整いました。

スタージは南大東島、北大東島、久米島、多良間島の各空港へ導入されました

スタージは南大東島、北大東島、久米島、多良間島の各空港へ導入されました

移動式段差解消機 スタージーの詳細は下のクリックでご覧いただけます。

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