現状と解決したい問題
お住まいの状況
木造2階建ての戸建て住宅。その1階について。
奥に和室、洋室と続きで和室、キッチン、洗面、浴室、トイレ。
玄関側の洋室を寝室と書斎として使用。奥の和室は入口に段差があり本人は入れず、納戸として使用している。
現状の困っている点です。
- 浴室前室の洗面所が狭く着替えもしにくい。(写真C)
- 浴室の入口に段差があり、浴槽が深く、入れても出にくい。(写真C)
- トイレ前、入口も狭く段差が有り、廊下も曲がっている。(写真A,B)
A.入口もスペースも狭いトイレ
B.入口に段差のあるトイレ
C.狭い洗面所と入口に段差があり、浴槽が深い浴室。
改修前平面図
Aさんの状況
1.生活面
ご夫婦2人住まい。奥様、本人とも地域での活動を活発に行い外出する事も多く、Aさん一人でも出かける事がある。 室内や、室外への出入りなど色々と工夫をしながら生活されている。
2.身体面
室内、室外とも電動車イスを使用し、自分一人で出来る事は自分で行っている。 トイレも入口で車イスから降り、手すりを伝って便器まで移動していたが、途中で動けなくなり奥様に助けを求めることも多くなった。
ポータブルトイレの使用も考えたが、やはり自力でトイレへ行きたいとの希望が強かった。 入浴はヘルパーさんが援助に来るときはヘルパー介助で入浴し、それ以外は奥様の介助で入浴していました。奥様も高齢になり、腰痛などで介助が困難になってきていた。
改修の目的
車いすで動きやすいスペースと動線を作り、本人が自立して日常生活を行えるようにすること。高齢な奥様の介護を軽減すること。
目標
- 電動車いすで便器近くまで行き自力で便器への移乗が出来るようにする。
- 浴室、トイレ、洗面までの動線を電動車いすで移動しやすいように車いすの回転スペースを確保する。
- 入浴も出来るだけ自力で楽に行えるようにする。
- 寝室への出入りをしやすくする。
改善のポイント
生活しやすいレイアウトに変更
トイレと離れていた寝室をトイレに近い洋室へ移しました。納戸となっている和室を、洗面所・トイレ・浴室として再配置し、車いすでの移動しやすいスペースを確保しました。
改修後平面図
- 床の段差を無くし、便器横に車いすを近づけられるよう入口の位置を変更いました。
- 開口部を広くとるために建具を2枚引戸にし、L型手すり、跳ね上げ手すりの設置、補高便座を設置しました。
- 将来介助が必要になることを考え、介助をしやすく元の入口側も開けるようにしました。
車いすを使用する「浴室、トイレ、洗面」の動線の改善
寝室への出入りをしやすくする
入口を開き戸から引戸への変更と沓摺の段差の撤去で車いすが通り易くしました。
改善後の様子
下に様に多くの生活動作が容易になることにより自立が進み、奥様の介護負担が軽減されています。
- 寝室の場所を変え洗面所を撤去することで車いすでの通行がしやすくなりました。
- 便器の近くまで車いすで行け手すりを利用して便器への移乗が自力行えるようになりました。
- トイレ、脱衣の間に車いすで回転するスペースも出来、車いすの取り回しがしやすくなりました。
- 洗面台も車いすで使用できる物にしたので、自力での洗面が可能となりました。
- 入浴も介助の軽減ができました。
工期と費用
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