現状と解決したい問題
お住まいの状況
2階建ての戸建てであり、1階に二間続きの和室、トイレ、キッチン、浴室があります。和室の一室をAさんの寝室と家族の食事の場にしていました。和室2は主に収納部屋として使われている。キッチンは棚など物が多く、テーブルが置けない。
トイレ・浴室は、前室の洗面所が狭く、移動しにくく着替えもしにくい。
2階には長男夫婦の寝室と、子どもの部屋があります。
家の中は多くの荷物が整理されず部屋のあちらこちらに積まれている状況で、足腰の弱いAさんには、それが歩行の障害の一因にもなっていました。原因は、
- 収納スペースが極端に少ない間取りにもありました。
- Aさんの部屋は寝室兼家族の食事の場所でもありました。
- トイレや浴室、洗面所は狭く、Aさんのいる部屋から遠く、段差もあるので使いづらい状況にありました。
Aさんの状況
1.生活面
長男夫妻はともに働きに出ており、日中は独りになります。テレビを見たり、編み物をしたり、近隣の友人が訪ねてくることもあり、地域とのコミュニケーションがとれています。
2.身体面
足腰が弱くなってきていますが、自分でゆっくりと歩くことはできています。トイレは、動線が長く転倒リスクもあるのでポータブルトイレを使用しています。お風呂は、長男が介助しています。週2回、ヘルパーさんに援助に来てもらっていました。
要望は、Aさんの部屋と使いやすいトイレ、浴室のほか、ダイニングキッチンの設置等と多岐にわたりました。
提案内容
ご要望を伺い、次の2つを重点ポイントにしてプランを作成しました。
1.転倒リスクを少なくし、「安心して暮らせる家」と将来の介護の軽減
- ポータブルトイレを使用せずに近くにトイレを設置し、自立生活を保てるようにします。
- 浴室までの通路や脱衣室、浴室が狭く状態を、動線と通路の整理します。
- 敷居や扉枠で段差がいたるところにあるので、床レベルを同一にして、移動が楽にできるようにします。
2.家族間の生活サイクルの違いと、プライバシーの確保
- 母親には、自分の寝室が家族の食事の場としていることでのストレスがあるので、母親の寝室と家族の食事の場を分けプライバシーを配慮します。
※1階の床レベルを同一にすることで、全ての部屋を段差無しで行けるようにします。
改善のポイント
居間・寝室
改善後の様子
Aさんの部屋にトイレを設置することで、動線が短くなりトイレの不安が取り除かれた。1階部分の段差が無くなり、将来、車いすを使用することになっても、お風呂にもいける、安心な住まいになったと喜んでいただけました。
また、これまでAさんは、家族の食事の場所、共用の部屋で生活してきたこともあり、ストレスがあったようですが、専用の部屋を確保できたことでとても楽になったと伺いました。
工期と費用
工期:1ヵ月
費用:20,000,000円
公費負担 |
1,000,000円 |
自己負担 | 19,000,000円 |
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