株式会社東京湾クルージング 舟運観光のバリアフリー化にスロープビルドを導入

2021年12月06日

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【東京湾クルージングの船舶とスロープビルド】

 

誰もが気軽に舟運観光を楽しめるようなバリアフリー化にむけて、株式会社東京湾クルージングは乗下船時に車いす利用者を抱きかかえ上げていた課題解決に向けて、双胴船 NANO2用にスロープビルドが導入されました。

 

東京湾クルーズ スロープビルド 国の重要文化財の日本橋をくぐる

【国の重要文化財の日本橋をくぐる】

江戸から時代の影響を受けて変遷を繰り返してきた東京。かつて人々の生活を支えてきた水路や水辺が地下鉄や自動車道路へと変化しました。訪れる人々の多様化で新たな変遷の時代を迎えている中で、水路や水辺はかつての面影を残しながらひっそりと佇んでいます。

日本橋川や神田川を中心にかつての水路をめぐる日本橋クルーズ®︎から見える景色には、江戸や明治の人々が四季折々の自然とともに過ごした情景があります。東京の秘境をめぐるタイムトラベルです。

東京湾クルージングの解放感あふれる船舶で、歴史を積み重ねた橋の裏側や石堰などを季節の移ろいとともに間近に体感できます。そのうちの一隻がNANO2で、長さ44フィート(約13m) 定員44名、オープンエアーの双胴船(2艘の船をつないだ形状)です。

東京湾クルーズ スロープビルド オープンエアーの双胴船 NANO2

【オープンエアーの双胴船 NANO2】

東京湾クルーズ 日本橋船着き場
【日本橋船着き場】

日本橋架橋100周年にあたる2011年に完成した日本橋船着場は、快適で潤いのある水辺空間を創出するとともに、災害時における帰宅困難者や物資の円滑な水上輸送など防災機能も備えています。そして、車いす利用者の舟運観光が可能になりました。

しかし、車いす利用者の乗下船時には抱きかかえ上げていた問題がありました。誰もが気軽に舟運観光を楽しめるようなバリアフリー化にむけて、この課題解決のための、NANO2用にスロープビルドを導入しました。

乗下船時の課題は発着する桟橋の高さが異なること、段差が舷門(船の出入り口)を頂点に桟橋側と甲板側に2方向のあることでした。

 

これらの問題をスロープビルドとオプションパーツが解決しました。桟橋の高さにあわせてスロープの長さを変えるために、長さを簡単調整できるクイックロックピンが利用されています。運航する航路に合わせてスロープ長さ調整することで、停泊時の設置時間を短縮することができます。また、舷門を中心に桟橋側と甲板側にスロープビルドを設置することによって、乗下船時に車いす利用者に加えて歩行に不安がある方にも安心してNANO2に乗船できるようになります。使用しないときは丸めて船内に保管されます。

さらに、桟橋での使用では、船特有の波や乗降時の揺れの影響でスロープの乗り込み口と桟橋床面の擦れによる摩耗が課題となります。この対応に、滑りやすく強度の高い接地ローラーを採用したことによって桟橋床面を傷つけることなくご利用いただけるようになりました。

東京湾クルーズ 舷門を中心に桟橋側と甲板側に設置されたスロープビルドと長さ調整用クイックピンの拡大図

【舷門を中心に桟橋側と甲板側に設置されたスロープビルドと長さ調整用クイックピンと設置ローラーの拡大図】

NANO2はバリアフリー法の基準に合わせて舷門の幅を広げる改修が施されました。スロープビルドの幅もバリアフリー法の基準に合わせた仕様で、NANO2に固定できるよう特別加工されています。着脱式の手すりによって乗降時の安全性も向上させています。

 株式会社東京湾クルージングではNANO2への改修とスロープビルドの購入にあたり、公益財団法人 交通エコロジー・モビリティー財団の海上交通バリアフリー施設整備助成を受けました。これまで旅客船228隻と旅客船ターミナル113件がこの事業の助成を受けました。スロープビルドはこの助成事業ではじめて採用されました。

 東京都では2018年に障害者差別解消条例を施行しました。株式会社東京湾クルージングとNANO2によって、新たな変遷の時代にむけて誰でもが身近に利用できるような魅力ある水辺へと大きく前進します。

東京湾クルーズ 公益財団法人 交通エコロジー・モビリティー財団の海上交通バリアフリー施設整備助成を使用

【公益財団法人 交通エコロジー・モビリティー財団の海上交通バリアフリー施設整備助成を使用】


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