「解決」までご協力
アビリティーズの「福祉・医療相談室」は、月~金曜日、朝10時から夕方まで会員とそのご家族からの相談を電話で受けている。相談員は保健師、看護師、ソーシャルワーカー等で、必要に応じ、専門各科のドクターのバックアップをいただいている。
一度電話を受け、対応して終わりではなく、「問題解決型相談対応」をめざしている。「解決」にいたるまで2、3日から1、2週間はかかる。その間、相談員はご相談のあった方はもちろん、病院その他の関係先と何度も連絡を取りながら問題解決を図っていく。こうした対応に協力してくれている医療機関、福祉施設がいまや全国にわたっている。外来、入院、ショートステイ、リハビリドック等、各機関の機能を活用しながら相談当事者の「問題解決」を図っている。
保険会社の協力のもとに
この相談室は1990(平成2)年に活動を開始した。その前年、日本アビリティーズ協会の会員のための「相談事業」を知って、T損害保険会社の市場開発課長、下斗米寛泰さん(当時)から、
「その相談事業を損害保険会社の民間介護費用保険の契約者に使わせてもらいたい」
と依頼があった。
そこで、協会会員向けの相談事業を幅広く対応できるように再構築してできあがったのが「ライフサポートプログラム」である。
氏はアビリティーズのこのサービスを自社の契約者に限定せず、業界他社にも呼びかけた。そして、計6社が利用されることになった。6社の介護費用保険加入者はアビリティーズのライフサポート団体会員として、加入者からの相談事項が各社の相談室を経由して、アビリティーズの相談センターに電話で転送されてくるサービスが始まった。
当初は協力医療機関ネットワークをつくりながら、対応していくという手探りの出発であった。
ありがたいことに、アビリティーズ運動の共鳴者、協力者、そして日本アビリティーズ社のお客様など、各地の福祉施設、病院等が協力機関として次第に参加してくださるようになった。
多くの団体会員を得て
この事業が始まって間もなく、今度は日産労連様にも同組合員の方々に利用していただくことになった。日産労連は日産自動車及び関連会社の従業員労働組合で、アビリティーズ運動の強力な後援組織として創立間もない頃から、支援してくださっていた。日産労連が団体会員として加入くださったことにより、一挙に24万人の方々が新たな対象となり「ライフサポートプログラム」は拡大した。
次いで、イオンのグッドライフクラブ様などもご加入下さった。ライフサポート会員は団体、個人会員あわせて、40万世帯に達することになった。
段階に応じた対応を
相談室に寄せられる内容はさまざまだ。ある年のデータによると「医療、健康」に関することが全体の32%を占めるが、本人や家族の気にかかる健康上のことから末期ガンなどターミナルの相談も多い。最近は、今かかっている医療機関や医師の判断や治療方法、対応について疑問をもち、その確認の相談も増えている。セカンド・オピニオンである。
次いで多いのが入院、転院先の紹介、福祉施設利用の相談で、年々増え、21%に達している。入院期間が短縮化され、以前なら病院から次の転院先の紹介を得られたが、今では患者さんが自分で次の病院を探さねばならない。自宅復帰も難しい事情の人も多い。高齢者については、認知症の相談が家族からよせられる。相談室は適当と思われる病院等とコンタクトし、受入れ態勢をとっていく。
こうしていったん問題状況を解決してもしばらくするとまた次のステージで、相談の電話が入ってくる。在宅生活をどう可能にするか。福祉制度の利用、住宅改修、福祉用具の利用等の対応を図ることになる。
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